インフルエンザワクチンの効果(2020年1月)
- 2020.02.02 Sunday
- 22:11
インフルエンザワクチンの効果について検証しました。期間は2020年1月4日から1月31日までです。インフルエンザ症状を訴え来院し迅速検査を受けられた方は218名でした。ワクチン接種の有無によりインフルエンザに罹患した方の数を表にしました。
ワクチン未接種 | ワクチン接種済 | 計 | |
インフルエンザ陽性 | 74名 | 58名 | 132名 |
インフルエンザ陰性 | 46名 | 40名 | 86名 |
計 | 120名 | 98名 | 218名 |
Test negative法によりワクチンの効果を計算すると、Vaccine effectiveness(V.E.)は10%でした。
前月と比べワクチンの効果が激減しています。ワクチンが効きやすいといわれているAH1pdm09が流行しているのにワクチンの効果
が低下している理由は不明です。
また昨年度と比べ、当院でインフルエンザ陽性と診断された方は半減(昨年度230名)しています。兵庫県感染症情報センター
のデータでもインフルエンザ患者数は昨年度の半分以下になっています。特に西宮市での発生数は兵庫県内で最も低くなっています。
インフルエンザの流行に影響を与える環境要因は気温や相対湿度(湿度計で測定する湿度)ではなく、絶対湿度であることがいくつかの論文で報告されています。絶対湿度とは空気中にある水分の絶対量のことで、相対湿度に比べ気温に関係なく正確に空気の湿り気を表しています。昨年と比べ今年の1月の平均気温が2.1度、相対湿度が2%上昇しており、昨年より絶対湿度が高くなっていることが予想されます。そのためインフルエンザ流行の規模が昨年度より小さくなっているのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症がさらに拡大する気配を見せています。手洗い、うがい、体調管理などお気をつけください。
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